先輩医師の内覧会
今回は個人的な話についてブログに記載します。
5/6に医局の先輩医師である関谷充晃先生が開業するクリニックの内覧会に行ってきました。
5/9に「川口せきや呼吸器・内科クリニック」の開業が予定されています。
川口駅近辺に紹介できる呼吸器のクリニックがなかったので、さっそく順天堂醫院の患者さんを紹介させて頂く予定です。
川口せきや呼吸器・内科クリニック | 「川口駅」東口より徒歩1分、埼玉県川口市の呼吸器内科科・内科 (kawaguchi-sekiya-cl.com)
関谷先生は私から数えて3代前の順天堂醫院呼吸器内科の病棟医長でもあります。
また、私に論文の指導をして下さった最初の先生でもあります。
その論文は2009年にInternal medicineに掲載された「Refractory recurrent thymoma successfully treated with long-acting somatostatin analogue and prednisolone」です。
これはアジアで最初に胸腺腫に対してソマトスタチンアナログを用いた治療を行い、奏功したという症例報告です。
この治療法は保険適応外であったため倫理委員会に申請を行い、高額な治療費を自費で患者さんに負担して頂きながらソマトスタチンアナログを投与しました。結果としてかなり治療効果があったため、その後順天堂では積極的に胸腺腫に対してソマトスタチンアナログを投与するようになりました。
その後症例が蓄積されたこともあり、現在では胸腺腫瘍のがん診療ガイドライン、肺癌診療ガイドラインなどにもオクトレオチド(ソマトスタチンアナログ)による治療について記載がされるように変わりました。
治療の有用性を評価するためのオクトレオチド・シンチグラフィ(オクトレスキャン)という検査も2015年から保険適応になりました。
小さな一歩ではありますが、胸腺腫の患者さんに対する新たな治療の選択肢を広げることに関わる事ができた事を嬉しく思っています。
偉そうなことを書きましたが、実はこの論文を私は日本語でしか書いていませんでした。
それを英語の論文に昇華して下さったのが留学帰りの関谷先生でした。感謝してもしきれません。
DOI: 10.2169/internalmedicine.48.1922
関谷先生の同期の先生方
順天堂大学呼吸器内科の関谷先生の同期には熱田了先生、木戸健治先生、三浦佳代先生がいます。
木戸先生は私が研修医として呼吸器内科をラウンドしたときのグループ長でした。現在も順天堂練馬病院呼吸器内科部長として勤務していますので、病診連携の会でたまにお話をする機会があります。
熱田先生は2018年に「秋葉原あつた呼吸器アレルギー科クリニック」を開業しており、当時の内覧会に行った時の写真がこちらです。
私は熱田先生から月・木午後の喘息外来を引き継いで現在も木曜日だけ順天堂で外来を続けております。師匠と弟子の関係であるため、開業前年にはクリニックを見学に行かせてもらいました。
順天堂大学呼吸器内科の医局員は現在100人を超えており、OB・OGを加えるとその倍の先生が現在も活躍しています。しかし、その中において国立相模原病院でアレルギー診療を学んできたのは熱田先生と私の2人だけです。
熱田先生がいなければアレルギー診療のメッカであった国立相模原病院に国内留学させて頂く機会は得られず、現在のように大人の食物アレルギーの診療をすることはできませんでした。目をかけて頂いたことを非常に感謝しております。
今後も人と人との出会いを大切にしていきたいという思いを内覧会に参加したことでより強く感じました。
秋葉原 あつたアレルギー呼吸器内科クリニック | ぜんそく・COPD・咳の治療 東京都千代田区秋葉原 (atsuta-clinic.jp)