日曜日でもお勉強(;^_^A
当院では呼吸器やアレルギー、糖尿病などの専門的な診療を行っていますが、質の高い医療を地域の皆さんに提供し続けるためには、医師自身の知識のアップデートが欠かせません。今回は、私が2026/7/5(日)に参加した研究会や、これから予定している学会発表への想いについて少しお話しさせていただきます。
日曜日の研究会での学び
適切な診療を患者さんに届けるために、私たち医師は日々専門知識を更新する必要があります。診療終了後にオンラインの講演会を聴講したり、日曜日でも研究会や学会に参加したりすることは、医師としての日常の一コマでもあります。
本日は日曜日でしたが、朝から「Fasenra EGPA National Symposium」という研究会に参加してきました。
この会では、EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)に関して高度な知見を持つBernhard Hellmich先生の講演を拝聴することができ、非常に有意義な時間を過ごせました。個人的には多発単神経炎と単一の神経圧迫による末梢神経障害をどのように臨床的に見分けるかという点について、聖マリアンナ医科大学の伊佐早先生から伺ったお話が今後の日常診療に直結する貴重な学びとなりました。
貴重な休日が潰れてしまうのは少し寂しい気もしますが、こうした場での学びが、患者さんへのより的確な診断や治療に繋がると信じて、参加する会を厳選しながら研鑽を積んでいます。
EGPAに関する院長ブログはこちら👇
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 (4コマあり) | 中村橋いとう内科クリニック
2026年秋、京都での国際学会に向けて
現在、私が準備を進めている予定の一つが、2026年10月に京都で開催される「JSA/WAO/APAPARI Joint Congress 2026(第75回日本アレルギー学会学術大会)」への参加です。今回はWAO(World Allergy Organization)、APAPARI(The Asia Pacific Academy of Pediatric Allergy, Respirology & Immunology)と合同開催される国際学会ということもあり、通常よりも長い日程で非常に多くの演題が発表される予定です。私は土曜日の診療を終えてから京都へ向かい、日曜日のみ参加する予定を立てています。
日曜日だけでも参加する大きな理由は、私自身が演者として発表を行うからです。専門医を維持するための単位取得も大切ですが、それ以上に臨床現場で感じている課題を広く発信することが重要だと考えています。今回採択された演題は、「開業医におけるコチニールアレルギー診療の課題」というテーマです。
コチニールアレルギーの詳細については以下の院長ブログも参照してください。
コチニールアレルギーという課題に向き合う
なぜ私が開業医という立場でありながら、わざわざ演題を出して学会発表を行うのか。それは、現在の食物アレルギー診療、特にコチニールアレルギーを巡る環境に強い危機感を感じているからです。コチニールアレルギーは、着色料などに含まれる成分が原因で起こり、若い女性を中心に近年増加しているアレルギー疾患ですが、診断には以下のような高いハードルが存在します。
- コチニールアレルギーの血液検査は保険診療でカバーされておらず、費用が高額になりやすい
- 検査を受けられる医療機関が非常に限られている
- 皮膚テスト(プリックテスト)用の試薬が市販されていない
- 原因となりやすい化粧品などのリスクが一般に周知されていない
かつて大学病院で勤務していた頃よりも、地域医療の最前線にいる現在のほうが、こうした「アレルギー診療の難しさ」による患者さんの不利益を痛感しています。大学の准教授かつアレルギー学会の評議員であった4年前までと違って、一人の開業医ができることには限りがあります。しかし、学会という公の場で問題提起をすることで、アレルギー学会の先生方をはじめとした医療界全体が改善に向けて動くきっかけになればと考えています。
学会発表が終わりましたら、またこのブログで内容や反響をご報告させていただきます。これからも地域に根ざしたクリニックとして、誠実で精密な医療を目指してまいります。
