フルーツやカロリーの適切な摂取量とは?
当院では、患者さんが持ち帰って見直すことができる説明資材として「いとしんぶん」を作成しています。今回は糖尿病専門医である副院長が執筆した、適切な摂取エネルギー量と果物の摂り方について、最新の「いとしんぶんVol.24-25」の内容を詳しく解説します。
炭水化物の適切な摂取目標
糖尿病における炭水化物の適量は、個人の年齢や身長、活動量に基づいて計算する必要があるため、一律の正解はありません。そのため、一般的には摂取エネルギーの40~60%と幅広く設定されています。
しかし、長期的な健康維持を考慮した場合、大規模研究のデータでは1日の摂取エネルギーの50~55%を炭水化物から摂取することが、最も安全かつ効果的であると示唆されています。まずは、ご自身の1日に必要な摂取エネルギーを正しく把握することから始めましょう。
(参考文献:一般社団法人日本糖尿病学会|健康食スタートブック〜生活の質向上を目指して〜)
1日に必要な摂取エネルギー量の計算方法
ご自身の目標体重と身体活動量から、1日に摂取すべきエネルギー量を算出しましょう。以下の3つのステップで計算できます。
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目標体重を計算する
目標体重(kg) = 身長(m) × 身長(m) × 基準BMI
65歳未満の方 BMI:22 を採用 65歳以上の方 BMI:22~25 を採用 (例:55歳で身長160cmの場合:1.6 × 1.6 × 22 = 56.3kg)
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エネルギー係数を設定する
日常生活の活動量に合わせて、以下の係数から選択します。
軽い身体活動 デスクワークなど静的な活動中心:25~30 普通の身体活動 通勤・家事・軽い運動:30~35 重い身体活動 力仕事や活発な運動習慣:35~ -
1日の摂取エネルギー量を算出する
1日の摂取エネルギー量(kcal) = 目標体重 × エネルギー係数
(例:55歳・160cm・普通の活動量・痩せ気味の場合:56.3 × 30 = 1689kcal/日)
1日あたりの炭水化物摂取量の目安
1日の摂取エネルギーのうち、50~60%を炭水化物で摂ることが推奨されています。計算式は以下の通りです。
1日の炭水化物量(g) = 1日の摂取エネルギー(kcal) × 0.5~0.6 ÷ 4
たとえば、1日の必要エネルギーが1700kcalで、その55%を炭水化物とする場合、炭水化物量は約234gとなります。これをすべて白米で摂ると茶碗約4杯分に相当しますが、炭水化物はパンや麺類、野菜や果物にも含まれているため、全体のバランスで調整する必要があります。
日本糖尿病学会の2024年ガイドラインでは、一部の2型糖尿病患者において、短期間(6~12ヶ月)の緩やかな糖質制限(1日70~130g目標)を治療の選択肢として認めています。ただし、糖質を制限する際は、不足しがちな食物繊維を野菜などから積極的に補うことを意識してください。
糖尿病における適切な果物の摂り方と摂取量
血糖値が高い方から「果物は食べてもいいのですか?」という質問をよく受けます。結論から申し上げますと、基本的には食べて大丈夫ですが、量とタイミングには注意が必要です。
果物を食べる際のポイント
食べるタイミングは日中がおすすめ
果物は朝食または昼食のデザートとして取り入れるのが最適です。血糖値の上昇が気になる方は、1日分を2回に分けて食べるのも有効な手段です。空腹時の単独摂取や、夜間の摂取は中性脂肪の上昇や肥満につながりやすいため控えましょう。
旬の果物をそのまま食べる
果物は加工されると大切な栄養素が失われます。ジュースにすると食物繊維が取り除かれ、吸収が早くなるため血糖値が急上昇しやすくなります。ドライフルーツやシロップ漬けも、糖分が凝縮されていたり添加されていたりするため、常食は避けてください。
摂取量を守る
糖尿病の方が1日に摂取する果物の目安は、80kcal(1単位)以内です。この量を守れば、健康への悪影響を抑えつつ、果物に含まれるビタミンやミネラルを摂取できます。
| りんご | 中1/2個 |
|---|---|
| バナナ | 中1本 |
| みかん | 中2個 |
| キウイフルーツ | 小2個 |
| いちご | 10~12個 |
