AIチャットボットはじめました
このたび、2025年5月より当院のホームページに新たな試みとしてAIチャットボットを導入いたしました。画面の右下に表示されている緑色のアイコンが、その入り口です。
時代の変化とともに、医療の形も少しずつ進化しています。今回は、なぜ私たちがこのツールを導入したのか、そして医療における人工知能(AI)との付き合い方について、一人の医師としての思いを綴ってみたいと思います。デジタルな便利さと対面診療の安心感をどのようにつなげていくべきか、皆さんと一緒に考えるきっかけになれば幸いです。
AIチャットボットが皆さんの疑問に24時間お応えします
医療機関を受診する前には、ちょっとした不安や疑問がつきものです。「仕事帰りに寄りたいけれど、キャッシュレス決済は使えるかな?」「予約がいっぱいだけれど、急な発熱で診てもらえるかな?」といった質問は、受付時間外だと確認が難しく、受診をためらう原因になるかもしれません。こうした皆さんの「今知りたい」に応えるのがAIチャットボットです。
現在、このチャットボットは私が事前に想定した質問に対して、適切な回答を自動で行うようになっています。皆さんの知りたいことが増えれば増えるほど、AIもより賢く、より多くの疑問に答えられるようになります。
24時間電話がつながる体制を整え、受診した患者さん全員からその加算分を徴収している医療機関もあります。しかし、当院のような小さなクリニックでは24時間電話がつながるような体制を整えるのは人員的に難しいため、代わりに24時間応答可能なAIチャットボットを導入しました。
AIチャットボットを導入しても現時点では何の加算もありませんが、AIチャットボットへの質問は無料で利用できます。診療時間外でも、夜間や早朝でも、気になることがあれば気軽にAIチャットボットに質問を投げかけてください。
進化する医療AIと向き合う大切さ
現在、医療の現場ではAIの導入が急速に進んでいます。例えば、レントゲンやCTなどの画像診断を支援するAIや、多言語に対応した診療サポート、電子カルテの入力補助などは、すでに実用化の段階にあります。膨大なデータを瞬時に解析する能力において、AIは非常に優れたパートナーといえます。
しかし、一方で注意しなければならない点もあります。AIの出す回答は、あくまで学習したデータの質に左右されます。医学的知識を持たない方が入力した断片的な情報だけで病名を推測することは、大きなリスクを伴います。いわゆる誤診の可能性が否定できないため、AIはまだ医師の代わりを務める段階にはありません。
不安な症状があるとき、ついスマートフォンで検索をしてしまい、さらに不安が募るという経験はないでしょうか。スウェーデンの耳鼻科医であるHenrik Widegrenが「Never google your symptoms (絶対に症状をググるな)」という歌を作ったほど、ネット上の不確かな情報に惑わされることは世界的な課題となっています。ネットの情報はあくまで参考にとどめ、最終的な判断は専門家に委ねることが大切です。
コロナ禍に描いていた「つぶやき漫画」から抜粋
Dr. Widegrenが歌っている動画はこちら👇
院長が描いた漫画「Dr.AIちゃん」に込めた願い
実は私は、今から数年前の2020年に、未来の医療を想像して1冊の漫画を描きました。タイトルは「咳のことはDr.AIちゃんにきけ!!」です。まだ世の中にチャットGPTが登場する前のことでしたが、いつかAIが身近な存在になる未来を予感していました。この漫画に登場するキャラクターのモデルは、私の娘です(娘のあだ名は「あいちゃん=AIちゃん」)。子供の頃に大好きだった漫画「ブラックジャック」と「Dr.スランプ アラレちゃん」へのオマージュも込めて描き上げました。
娘が大人になる頃には、AIの精度はさらに向上しているでしょう。しかし、患者さんの目を見て、声のトーンから辛さを察し、手で触れて診断を行うという「温もりのある診療」の価値は変わらないと信じています。デジタル技術は、あくまで私たち医師が患者さんと向き合う時間をより豊かにするための道具であるべきだと考えています。
呼吸器の病気や長引く咳でお悩みの方は、ぜひ「長引く咳(慢性咳嗽)」のページもご覧ください。AIに負けないよう、私も日々臨床力を磨き続けています。
まとめ・・最新ツールと「対面」のバランス
AIチャットボットは、皆さんとクリニックを繋ぐための新しい窓口です。まずは事務的な確認や、受診前の不安解消に役立ててください。そして、実際の体調の変化や病気の不安については、ぜひクリニックへ足を運んで直接お話しください。中村橋駅近くで、私たちはいつでも皆さんをお待ちしています。
技術がどれほど進歩しても、患者さんの健康を願う情熱と専門的な診断力こそが、医療の核心です。デジタルとアナログ、それぞれの良さを融合させながら、これからも練馬区の皆さんに信頼される医療を提供してまいります。
