心不全 (4コマあり)
心不全とは
心臓は体中に血液を運ぶポンプの働きをしていますが、そのポンプ機能が低下することを心不全と呼びます。
ポンプ機能が低下すると肺にも血液がうっ滞してしまい、肺に血液中の液体成分がしみだしてしまう肺水腫が起きてしまいます。肺水腫が起きると酸素と二酸化炭素を交換する肺胞が水浸しになるために呼吸困難が起きます。
それだけでなく空気の通り道である気道もむくんでしまい、これが咳につながります。喘息のようにゼイゼイすることもあるので、医学用語ではありませんが、心臓喘息という言葉もあります。
診断に有用な検査
心臓超音波検査、胸部レントゲン、心電図、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)検査などがあります。
※BNPは心臓に負荷がかかると合成、分泌されるホルモンで、心不全の重症度をみるのに有用です。
治療
心臓にかかる負担を減らすために利尿剤を使ったり、酸素投与を行ったり、陽圧換気を行ったりしますが、心不全の原因に対する治療が必要です。
心臓の血管(冠動脈)が狭くなる狭心症や詰まってしまう心筋梗塞が起きたのであれば、カテーテルによる治療やバイパス手術をします。
心臓の弁が壊れている場合は弁の置換術を行ったりします。
その他にも不整脈、心筋症など様々な病気が心不全の原因となりうるので、咳の原因として心不全が考えられる場合は循環器の先生にもしっかりとみてもらう必要があります。
心不全になってしまった場合は基本的には入院加療が必要です。
心不全の予防
睡眠時無呼吸症候群があると心不全の入院リスクが高くなるので、疑わしい場合は検査して予防しましょう。
頸動脈超音波検査で血管年齢を調べることは心筋梗塞の予防につながります。高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満・家族歴などがある方は検査することをお勧めします。