メニュー

高血圧(4コマあり)

高血圧とは

心臓から押し出された血液は全身に向かって勢いよく流れていき、その時に血管にかかる圧力を血圧と呼びます。この血管にかかる圧力が高い状態を高血圧と呼びます。

心臓が収縮して血液を送り出すときの血圧を収縮期血圧と呼び、これが上の血圧になります。一方、血液が戻ってきて心臓が広がっている時の血圧を拡張期血圧と呼び、これは下の血圧になります。

上の血圧が高いということは心臓から勢いよく流れた血液を大動脈が拡張して圧力を抑えることが出来ず、血管への圧力が高まっている状況です。上の血圧と下の血圧の差が大きいほど病気のリスクが高くなると言われているため、差が大きい方はしっかりと血圧を下げる必要があります。

下の血圧が高い原因は、動脈硬化によって体の抹消にある血管が硬くなっていることが挙げられます。これ以上動脈硬化が進まないようにしっかりと血圧をコントロールする必要があります。

血圧を下げる薬

①カルシウム拮抗薬

血管を収縮して血圧を上げる原因となるカルシウムが細胞内に取り込まれるのを防ぐ薬です。この作用によって血管を広げ、血圧を下げます。グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類はこの薬の分解を阻害してしまうため、気を付ける必要があります。

②アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)

アンギオテンシンⅠからアンギオテンシンⅡに変換する酵素を阻害する薬です。この作用によって血圧を上げる作用があるアンギオテンシンⅡが少なくなり、血圧が下がります。ブラジキニンやサブスタンスPという物質の分解も抑えてしまうため、咳が出やすくなるという副作用があります。

③アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)

血圧を上げる作用があるアンギオテンシンⅡが受容体にくっついて作用するのを防ぐ薬です。腎臓を保護する作用もありますが、妊婦さんに使用すると腎奇形などを生じる可能性があるため、妊婦さんには使うことが出来ません。

④利尿薬

尿の量を増やす薬です。この作用によって体の中を循環する血液の量が減り、血圧が下がります。塩分を取り過ぎて体液量が増えてしまっている患者さんに向いている薬です。低カリウム血症や低マグネシウム血症などの電解質異常が起きる可能性があります。また、塩分(NaCl)の排泄量が増えるため、低ナトリウム血症やそれによるこむらがえりが起きる可能性もあります。

⑤ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬

アルドステロンという物質の働きを遮断する薬です。カリウムを低下させずに腎臓からナトリウムを排泄させることができます。肥満や原発性アルドステロン症でアルドステロンが過剰に分泌されている患者さんに効果的な薬です。

⑥β遮断薬

心臓の筋肉に作用して心拍数や心臓の収縮力を減少させることによって血圧を下げる薬です。気管支の拡張も抑えられてしまうため、喘息やCOPDなどでは注意が必要です。

⑦α遮断薬

交感神経の働きを遮断して血管を広げることによって血圧を下げる薬です。朝の血圧が高い場合に使われます。交感神経による血圧調節が遮断されるため、急な体位変換によるめまいに注意が必要です。

⑧αβ遮断薬

心臓の拍動の働きを抑えつつ、血管を広げることによって血圧を下げる薬です。α作用とβ作用の両方が遮断されるため、両方の副作用に注意が必要です。

⑨中枢作用性約

主要な薬剤を用いても高圧目標に到達しない場合に使用する薬です。副作用は多種多様です。

 

上記のように血圧の薬は多種多様であるため、内服薬が多くなってしまう事があります。複数の種類の薬が合わさっている配合剤に切り替えることで、内服する薬の数を減らすことが出来ます。

多くの患者さんから「血圧を下げる薬は飲み始めたら一生止められないんでしょ?」と聞かれますが、中にはやめることが出来る方がいます。

高血圧の原因となっている原因となっている生活習慣を改善させることによって薬をやめられる可能性はあるのですが、多くの方は生活習慣を十分改善させることができないため、なかなか薬をやめることができないというのが実情です。薬を飲むだけでなく、薬の数が増えていかないように生活習慣を見直して改善することも並行して行うことをお勧めします。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME