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胃食道逆流症 (4コマあり)

胃食道逆流症 (Gastroesophageal Reflux Disease ; GERD)は「胃酸を主として消化液が食道に逆流することにより生じる胸やけ・呑酸などの症状を有し,それに伴うQOLの低下を認める病態」のことを指します。胃食道逆流症は長引く咳の原因になることもあります。このため、呼吸器内科医が胃薬を処方する機会は結構多くあります。

典型的なエピソード

咳が1ヶ月以上続いている(遷延性~慢性咳嗽)。熱・鼻水などがない。胸やけ、呑酸、咳払い、こえがれ (嗄声)などがある。肥満、喫煙、激しい運動、飲酒、カフェイン、チョコレート、高脂肪食、炭酸飲料、柑橘類、トマト製品、カルシウム拮抗薬(高血圧の薬)などのリスク因子がある。胃から食道に逆流する体位で悪化する。会話、起床、食事で症状が誘発される。咳き込んで嘔吐してしまう。

病態

胃酸や胃内容物が胃から食道に逆流することが原因で咳が誘発されます。図のように食道裂孔ヘルニアなどによって下部食道括約筋が緩んでいると非常に逆流しやすい状態がずっと続いてしまいます。

有効な検査や問診票

胃カメラ

 カメラで食道炎の所見を確認することが最も確実な診断方法です。しかし、胸やけ・呑酸などの逆流症状を認めるにもかかわらず、内視鏡で食道粘膜にびらんや潰瘍などの粘膜傷害を認めない非びらん性胃食道逆流症(Non-Erosive Reflux Disease:NERD)もあるため、所見がなくても胃酸が逆流している可能性があります。

24時間pHモニター

 pHモニターの装置(直径2mmほどの軟らかいチューブ)を鼻から入れて先端部を食道内に留置し、24時間のpHの変動を記録して、胃食道逆流の有無、程度を評価する検査です。

Fスケール問診票

 胃食道逆流をスクリーニングする12項目の問診票です。

治療

胃酸を抑える薬が第一選択です。酸以外の逆流や胃運動不全などが原因の場合は消化管運動機能改善薬を併用します。

薬だけでなく、食生活の改善やダイエットなども有効です。しかし、食道裂孔ヘルニアなど物理的に逆流しやすい問題がある場合はずっと治療を続ける必要があります。海外では内科的治療が効かない症例では手術することもあります。

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