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動脈硬化

[2023.11.19]

11月の「いとしんぶん」はメタボリックシンドロームについて副院長先生が原稿を書いてくれました。今回は11月中旬にその続きとして動脈硬化についての記事も書いてもらいましたので、今回のブログはその内容を紹介させて頂きます。

寒さが一層強くなる12月には「ヒートショック」に関する記事を書いてもらう予定になっています。

動脈硬化とは

動脈硬化とは動脈の血管が硬くなって弾力性が失われた状態のことで、血管がつまりやすくなり血流が悪くなることを指します。健康で若々しい血管は、弾力があり、ゴムのようにしなやかです。しかし、肌や内臓と同じように、血管も老化し、硬くもろい状態に変わっていきます。人によって程度は違いますが、年齢を重ねるに従って動脈硬化は進行します。ところが、加齢以外にも、血液中で増えすぎた悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が原因で動脈硬化が進行してしまうケースの増加が、現代の日本では問題になっています。

動脈硬化の起こり方

動脈は内側から内膜・中膜・外膜の3層になっており内膜は内皮細胞でコーティングされています。
普段は内皮細胞がフィルターの役目をして血管を守る役目をしています。しかし血圧の上昇などで内皮細胞が傷つくと血液中の悪玉コレステロールが内膜に入り込み様々な反応をおこした結果、プラークをつくります。プラークができることにより血管が狭くなり血流不足になります。またプラークは中がドロドロのおかゆの様な状態なので、とても破れやすくなっています。いったん破れるとかさぶたとして血栓ができて血管が詰まります。

心臓を栄養している血管がつまった状態が心筋梗塞であり、脳を栄養している血管がつまった状態が脳梗塞です。

頸動脈エコー検査とは

実際に動脈硬化がおきやすい頸動脈での動脈硬化の有無や程度の確認をすることができます。

いわゆる血管年齢の確認もできます。血管の厚さを測定することで血管年齢を推測し、プラークの存在や血管の内部の実際の状況を確認することができます。

頸動脈エコー検査がとくに推奨される方

高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、睡眠時無呼吸症候群、喫煙歴のある方、脳梗塞や心筋梗塞の家族歴のある方

費用

保険適用の場合、検査費用の目安は原則3割負担で1,000~2,000円です(初診料などは含まない)。

時間

頸動脈エコー検査そのものにかかる時間は、頸動脈の状態によって異なりますが、検査後の説明を含め15~30分程度です。

頸動脈エコー検査でわかること

血管の内膜中膜の厚さであるIMT「内膜中膜複合体肥厚度(Intima Media Thickness)」を測定します。

IMTは年齢が上がるにつれて厚くなる傾向が指摘されており、総頸動脈のIMTの厚さが1.1㎜以上になると動脈硬化が進展しているといわれています。

IMTのほか、プラークの有無や厚さ、実際の血流速度などを測定していきます。

頸動脈にプラークなどの異常が見つかった場合は、進行を抑制するためのお薬を開始し、1年おきに検査を行って変化を見ていくことをお勧めします。

 

 

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