ヒートショック
だんだんと冬本番になってきました。
寒さで血圧が上昇傾向になってきている方も多いかもしれません。
このため、2024年1月の「いとしんぶん」は温度差によっておこるヒートショックについて副院長に記事を書いてもらいました。
気をつけよう!ヒートショック
気温の変化によって血圧が上下し、脳内出血、大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などがおこることをヒートショックといいます。11月から3月くらいまでの寒い時期がヒートショックの好発時期です。
暖房のきいた温かい部屋の中にいるときには血圧が安定しています。しかし、脱衣所の急激な寒さにより血管がギュッとしまり血圧が上昇します。また、洋服を脱ぐと血圧は上昇し、寒い浴室に入るとさらに血圧が上昇しやすい状況となります。
熱いお風呂に入った直後では血圧が上昇しますが、身体があたたまってくると一転、それまで締まっていた血管が広がって急激に血圧が下がります。この血圧の急激な変化により脳内に血液がまわらず、たちくらみや意識を失うことも起こる可能性があります。
高齢者が入浴中に突然死する現象のことを「高齢者入浴中突然死症候群(SEDB; Sudeden Elderyly Death Syndrome in Bathing)」といいます。
日本では年間19,000人が高齢者入浴中突然死症候群で亡くなっており、ここ数年の交通事故死数2,600~2,700人の約7倍に相当します。
起こしやすい人
・65歳以上の人
・高血圧、糖尿病、動脈硬化のある人
・肥満、睡眠時無呼吸症候群、不整脈などの持病がある人
・浴室に暖房設備がない人
・一番風呂の人、熱い風呂がすきな人
・浴室に暖房設備がない人
・飲酒後にお風呂に入る人
・30分以上の長湯がすきな人
ご家族でこれらの項目に該当する方がいる場合は、浴室で倒れている可能性もありますので入浴中は時々様子を見に行っていただくことをお勧めします。
予防のポイント
①入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう
②湯温は41℃以下、湯につかる時間は10分までを目安にしましょう
③浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう
④食後すぐの入浴、またアルコールが抜けていない状態での入浴は控えましょう
⑤精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴は危険ですので注意しましょう
⑥入浴する前に同居者に一声掛けて、見回ってもらいましょう
浴室に暖房設備がない場合は
「湯を浴槽にいれるときにシャワーから給湯する」
「浴槽のお湯が沸いたところで十分にかき混ぜて蒸気をたててふたをあけておく」
など、なるべく寒暖差が少なくなるように工夫してヒートショックを防ぎましょう。
※「いとしんぶん」はクリニック内の受付下に置いてありますのでご自由にお持ちください。