メニュー

ワクチン

[2023.10.01]

感染症が流行しやすい冬に備えてワクチン接種をする時期になってきました。このため、今回はワクチンに関してまとめました。

内容は院内に掲示されていて、持ちかえることができる「いとしんぶん」の10月号とほぼ同じです。

ワクチンとは?

人間には一度感染した細菌やウイルスなどの病原体を記憶して排除する仕組みがあり、これを「免疫」と呼びます。事前にこれらの病原体の断片を注射するなどして病気に対する免疫をつけるものをワクチンと呼びます。

ワクチンには病気にかかることを予防して社会に病気が流行するのを防いだり、病気にかかっても重症化することを防ぐ効果があります 

ワクチンの語源は?

18世紀末にエドワード・ジェンナーという英国の医師が、乳しぼりをする人々に天然痘の患者が少ない事に気づきました。そして、牛の感染症である牛痘に感染した農民の膿(うみ)を別の人の皮膚に傷をつけて擦り込むことが天然痘の感染を防ぐ効果があることを発表しました。こういった経緯から牛を意味するラテン語の「vacca」を元にしてワクチン(vaccine)と名付けられました。

 ワクチンは一度打てば大丈夫なのか?

感染症には一度かかったら二度目はかかりにくくなる流行性耳下腺炎(おたふく風邪)、麻疹(はしか)、風疹(三日はしか)といった感染症もあれば、毎年のようにかかってしまうインフルエンザのような感染症もあります。

ワクチンも同様に種類によって獲得した免疫が薄れていく期間が異なります。

インフルエンザワクチンは半年程度、23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス®)は5年程度で効果が少なくなってきます。

同じ肺炎球菌のワクチンでも13価肺炎球菌ワクチン(プレベナー®)はタンパク結合ワクチンであるため、効果持続期間が長い事が知られています。

また、充分な免疫力を得るために何度も注射しないといけないワクチンもあります。

このため小児ではワクチンを頻繁に接種する必要があります。

インフルエンザのワクチンについて

10月からインフルエンザワクチンの接種が開始されます。しかし、今年は例年よりも早くインフルエンザが流行したため、接種前に既にインフルエンザにかかってしまった方も多くいると思います。

現在流行しているのはA型であるため、既にかかってしまった人も年末・年始頃から流行しはじめるB型インフルエンザにはかかってしまう可能性があります。

受験生や家族に受験生がいる方、休めない仕事をしている方は、予防接種することをお勧めします

帯状疱疹のワクチンについて

帯状疱疹の生ワクチンは1回の接種で効果が得られるかわりに、予防効果や効果の持続期間が不活化ワクチンより劣っています。

帯状疱疹の不活化ワクチン(シングリックス®)は予防効果や効果の持続期間が生ワクチンよりも勝っていますが、2~6ヶ月の間隔を開けて2度打つ必要があります。残念ながら1回だけの接種では十分な免疫を得ることができません。

1回目の副反応が強かったから…といって2回目の接種をしないと、ほとんど予防効果がありませんのでご注意下さい。

また、帯状疱疹の不活化ワクチンを6ヶ月以上経過して2回目の接種した場合は、医学的には効果が期待できるものの練馬区の補助期間外になってしまいます。この場合は半額の補助がなくなってしまう事にもご注意ください。

新型コロナのワクチンについて

新型コロナのワクチンはmRNAワクチンという新しい技術を用いたワクチンです。9月20日からXBB.1.5対応1価ワクチン接種が開始されています。

厄介なことに新型コロナはどんどん変化してワクチンによる免疫を回避してしまいます。このため、当初よりもワクチンの感染予防効果に関しては落ちてしまっています。

一方で重症化予防効果は半年から1年程度維持されるため、重症化リスクが高い方やワクチン接種の間隔があいてしまった方に接種が勧められます。

感染症が流行しやすい冬になる前から咳止め、解熱剤などの薬が不足しています。

また、10月から新型コロナに関する診療報酬が下げられることから、発熱外来の縮小・廃止をしている医療機関が出始めています。このため、この冬は発熱患者を受け入れる医療機関が不足する可能性もあります。

今年の冬に辛い思いをしないで済むように、ワクチンを含めた感染対策をしっかりと行ってください。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME