漢方薬に含まれるアレルギー成分
漢方は100%安全?
「漢方薬は生薬なので安全なんでしょ?」「西洋の薬と違って漢方薬はアレルギーとか起きないでしょ?」という質問を受けることがありますが、薬には作用があれば副作用もあり、漢方薬も例外ではありません。
漢方薬にもアレルギーを起こす成分が含まれているものがあります。ということで、今回は漢方薬に含まれるアレルギー成分について記載してみることにしました。
食品に表示されるアレルギー成分
食品の場合はパッケージ裏に食物アレルギーの表示がしっかりと記載されています。表示が義務付けられている7品目はえび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生です。表示が推奨されている21品目はアーモンド、アワビ、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンですが、2025年4月からくるみの表示は推奨から義務化に変わることになりました。
漢方薬に含まれるアレルギー成分
後述の表に記載してあるように、食品で義務化されているアレルギー成分であるかに、小麦、卵を含む漢方薬があります。また、表示が推奨されているアレルギー成分であるゴマ、大豆、もも、やまいも、ゼラチンを含む漢方薬もあります。
シラカバやハンノキの花粉-食物アレルギーではバラ科の果物にアレルギーが出ることがあります。このため、バラ科の食品であるアーモンド、もも、リンゴの記載が食品では推奨されていますが、表のようにもも、あんず、びわ、サモモなどバラ科の植物である含む漢方薬があります。
食品と違って漢方薬ではアレルギー物質の表示義務はありません。また、生薬名をみても何のアレルギー成分を含むのか想像しにくいものもあります。食物アレルギーが強い患者さんは漢方薬の成分にも注意してください。
夏バテに効く漢方薬
漢方薬に含まれるアレルギー成分について記載したので、「この院長は漢方薬が嫌いなのか?漢方薬は処方しないのか?」と思った方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。漢方薬の良いところ悪いところをちゃんと理解つつ処方しておりますのでご安心ください。
このところ猛暑が続いておりますので、最後に夏向きの漢方薬について紹介します。
暑さを清めて元気を益すという名前がついた清暑益気湯(せいしょえっきとう)という漢方薬があります。含まれる生薬は蒼朮3.5、人参3.5、麦門冬3.5、黄耆3、陳皮3、当帰3、黄柏1、甘草1、五味子1です。
夏の暑さに負けて食欲低下、倦怠感、夏バテ気味の方は試してみてはいかがでしょうか?