10月以降の新型コロナ対応について
治療薬(抗ウイルス薬)の自己負担開始
2023年5月に新型コロナウイルス感染症をインフルエンザと同等の5類に移行した影響を受けて、10月から医療費の自己負担割合に応じて段階的に1割の方:3,000円、2割の方:6,000円、3割の方:9,000円の自己負担がかかるようになります。
高いと感じる方が多いと思いますが、3割負担の方でもラゲブリオ等の薬価(約9万円)の1割程度(9,000円)にとどまるように設定されており、これでもかなりの金額を公費が負担しています。
財源には限りがあるので、新型コロナウイルス感染症に罹らないようにしっかりと予防してください。
参考)厚労省資料 新型コロナウイルス感染症に関する10月以降の見直しについて
診療報酬について
2023年5月にインフルエンザと同等の5類に移行した影響を受けて、10月から外来・入院・入院調整などに関する新型コロナの診療報酬が下げられる事が決定されました。
2023年8月の時点では発熱患者の対応をする医療機関は約4.9万まで増えていました。
しかし、10月の診療報酬改定以降は発熱外来や入院の受け入れを縮小・廃止する医療機関が増えてしまうかもしれません。
実際、既に廃止を決めた医療機関が地域の新聞などで取り上げられ始めています。
今年はインフルエンザと新型コロナの同時流行が既に始まっており、インフルエンザが本格的に流行する冬には発熱患者数が更に増加する可能性もあります。
発熱患者が増える一方で、発熱患者受け入れ縮小・廃止する医療機関を増やしかねない政策が10月から始まります。
この為、今年の冬は発熱時に医療機関を受診することが難しくなる可能性があります。
新型コロナワクチンについて
2023/9/20から2024/3/31まで、新しいオミクロン株XBB.1.5対応1価ワクチンの接種が実施されます。この新ワクチンは現在流行しているEG.5系統(エリス)という変異ウイルスに対しても有効です。
高齢者や基礎疾患がある人など重症化リスクが高い方はこの新ワクチン接種が推奨されています。
平均入院期間が新型コロナの約7日に対してインフルエンザは約6日とほぼ同様な状態に近づいているという判断のもと、10月以降の新型コロナの入院医療費の自己負担額も増えることが決まりました。
しかし、新型コロナの2023年8月・9月の新規入院患者数:8920~13972人/週、ICU入院患者数:183~228人(7日間平均)、ECMOや人工呼吸器管理中の患者数:107~140人(7日間平均)といった具合に、入院が必要となる患者数や重症患者の数は新型コロナの方が圧倒的に多い状況が続いています。
新ワクチン接種を行って重症化のリスクを少しでも減らすことをお勧めします。
当クリニックの対応について
新型コロナとインフルエンザの同時流行の状況はこの冬更に悪化する可能性があるため、各医療機関が協力して役割分担を進めていかないと対応できなくなる事が想定されます。
当クリニックに通院している患者さんで新型コロナのワクチン接種を希望される方は、当クリニックから数分の場所にある練馬区のワクチン接種会場(サンライフ練馬)をお勧めします。
当クリニックはワクチン接種対応を減らす代わりに、症状のある患者さん対応の役割を担っていこうと考えております。
既に患者数増加の影響を受けて咳止め、去痰薬、解熱剤など多くの薬剤が不足しており、新型コロナやインフルエンザ抗原検査キットの供給も危うくなり始めてきました。
この冬は入院の受け入れ先探しが今まで以上に難渋することが予想されます。
入院探しに時間を要すると他に待っている患者さんの外来対応が困難になってしまうため、明らかに入院が必要なほど体調が悪い方(中等症Ⅱ~重症に相当する患者さん)は最初から入院可能な医療機関に相談して下さい。
前述のように各医療機関が協力して役割分担をする必要があることをご理解ください。
参照) 新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き第10版(2023/8/21掲載)