喘息の診断・治療は最初が肝心
今回は喘息の診断・治療に関して院長ブログで記載しました。
1. 喘息とは?
喘息は気道(空気の通り道)に炎症が起きてせまくなり、息がしづらくなる病気です。
風邪、運動、花粉、ホコリ、ストレスなどをきっかけに、
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息苦しさ
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ゼイゼイ・ヒューヒューという喘鳴
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夜や朝方の咳
などの症状が繰り返し起こります。
実は、喘息には「この検査で確定」という明確な診断基準はありません。
日本では、以下の2つのガイドラインを参考にしながら、総合的に診断しています。
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JGL(喘息予防・管理ガイドライン)
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PGAM(喘息診療実践ガイドライン)
※JGL; Japanese guidelines for adult asthma
PGAM; Practical Guidelines for Asthma Management
2. どうやって喘息と診断するのか?
JGL:検査ができる医療機関向けのガイドライン
JGL2024では、次の項目を「診断の目安」としています。
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発作性の呼吸困難・喘鳴・胸苦しさ・咳の反復
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可逆性の気流制限(呼吸機能検査で改善を確認)
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気道過敏性の亢進
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気道炎症の存在(特に好酸球性なら診断価値が高い)
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アトピー素因
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他の病気の除外
特に 1・2・3・6 が重要 とされています。
しかし、
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呼吸機能検査
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気道過敏性検査
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呼気NO(FeNO)検査
といった機器がないと評価できない項目が多く、検査設備のある医療機関での診断が必要です。
PGAM:検査ができない医療機関向けのガイドライン
PGAM2024では、
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問診チェックリストの大項目(喘息を疑う症状)
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8つの症状項目・7つの背景項目のうち1つ以上
があれば喘息を疑い、吸入薬を使ってみて効果を見ることで診断します。
そのため、検査機器のないクリニックでも診断が可能となっています。
3. 最初の診断・治療がとても大事な理由
喘息は、早く・正確に治療を始めることが将来の重症化を防ぐポイントです。
まだ呼吸機能が低下していない咳喘息の段階であれば治療の中止を検討することができます。
しかし、呼吸機能低下が出現している気管支喘息の場合は基本的には治療をずっと続ける必要があります。
また、気道の炎症が続くと、気管支が固くなり元に戻りにくくなる「リモデリング」が進行します。
こうなると症状がある程度以上改善しなくなってしまいます。
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症状が軽い段階で治療すれば症状ゼロも可能
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途中で薬を自己中断すると悪化しやすい
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検査をして自分の呼吸機能・炎症の程度を知ることで治療継続につながる
このため、最初から検査ができる医療機関を受診することが大切です
4. 喘息の治療薬
喘息の薬は、大きく2種類に分かれます。
(1)長期に使う薬(コントローラー)
症状がなくても毎日続けて、炎症をしずめ発作を起こさせない薬です。
● 吸入ステロイド薬(ICS)
喘息治療の基本薬。
吸入なので全身に入る量はごく少なく、副作用も少ないです。
● 長時間作用型β2刺激薬(LABA)
気道を広げる薬。
ステロイドと一緒に使うのが原則。動悸・手のふるえが出ることがあります。
● 長時間作用型抗コリン薬(LAMA)
別の仕組みで気道を広げる薬。
口の渇き・眼圧上昇・排尿障害に注意。
● ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)
飲み薬。小児にも使われ、鼻づまりにも効きます。
● 生物学的製剤
重症例で使う注射薬。効果は高いですが高価です。
(2)発作がつらいときだけの薬(リリーバー)
● 短時間作用型β2刺激薬(SABA)
発作時にすぐ気道を広げる薬。
SABAだけで治療すると危険で、喘息死のリスクが高まることが報告されています。
5. 喘息治療で起こりがちな問題点
検査ができない医療機関で多剤処方されてしまうと、
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どの薬が効いたのか?
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ステロイドで呼吸機能が改善したのか?
- そもそも喘息の診断が正しいのか?
が分からなくなります。
「患者さんにとっての重要な薬(key drug)」も特定しにくくなってしまいます。
医療機関を転々とすると診療が難しくなる
喘息治療を始めると検査値が変化してしまい、後から受診した医療機関では「最初の状態」が分からず診断と評価が困難になります。
オンライン診療などでの処方問題
聴診自体が不可能なオンライン診療や聴診器を持っていない非内科医が吸入ステロイド薬を含む多剤を処方することがあり、患者側の適切な医療機関選びも重要です。
6. 患者さんへのお願い(まとめ)
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「風邪っぽいけど何か違う」と思ったら、最初から検査ができる医療機関へ
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早期診断・早期治療が重症化防止の鍵となります
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症状がなくなっても自己判断で薬をやめないでください
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検査結果を知ることで治療を続けるモチベーションになります
喘息は、正しい診断と治療を続ければ、普通の生活を送ることができる病気です。
医師と相談しながら、息苦しさゼロを目指して治療を続けましょう。
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