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メタボリックシンドローム

[2023.10.29]

11月の「いとしんぶん」はメタボリックシンドロームについて副院長先生が原稿を書いてくれました。今回のブログはその内容を紹介させて頂きます。

 

メタボリックシンドロームとは

腹囲が男性85㎝・女性90㎝以上でかつ血圧・血糖値・脂質のうち2つ以上が基準から外れるとメタボリックシンドロームと診断されます。

この腹囲は内臓脂肪100㎠以上に該当するといわれている基準です。

メタボリックシンドロームはただ太っているだけではなく、内臓に脂肪が蓄積した状態をさします。

メタボだと何が悪いのか?

内臓に蓄積した脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子やTNF-α(腫瘍壊死因子-α)やIL-6(インターロイキン-6)などの悪玉因子を分泌します。

これら悪玉因子はインスリン抵抗性を引き起こし、高血糖になります。さらに脂質異常症、高血圧にもつながり、動脈硬化という血管の老化を起こし易くします。

結果として、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の発症率が高くなります

メタボリックシンドロームの方は、そうでない方と比べて、2型糖尿病になるリスクは約3倍であり、心血管疾患による死亡リスクも約3倍になるといわれています。
また、非アルコール性脂肪肝、高尿酸血症、腎臓病、睡眠時無呼吸症候群といった病気にもつながります。
メタボであっても自覚症状がないことが多いですが、放置してよい状態ではなく、適切な運動や食事療法による体重、血圧、血中脂質、血糖値の管理を行うことが必要です。

子供もメタボになるの?

実は今年こどものメタボが問題となっています。

こどものメタボリックシンドロームの診断基準(6~15歳)は腹囲が男女共に「80㎝以上」、もしくは「身長×2分の1以上」。これをベースにして以下の3項目中の2項目以上あてはまると「子どものメタボ」です。
①血清脂質:中性脂肪120㎎/㎗以上かつ、または、HDLコレステロール値が40㎎/㎗未満。
②血圧:最高(収縮期)血圧125mmHg以上かつ、または、拡張期血圧70mmHg以上。
③血糖値:空腹時血糖値100㎎/㎗以上。
子どものころに肥満だったり、メタボだったりすると、大人になるとよりメタボになりやすいことが裏付けられています。
子どもがメタボに当てはまるのは両親のどちらか、もしくは両親共にメタボか肥満というケースがほとんどです。まず、親の生活習慣の見直しを行い、食事療法も運動療法も家族ぐるみで取り組むことが、子どもにストレスを負わせない重要なポイントとなります。ぜひ自分の食生活運動習慣を見直してみましょう。

メタボリックシンドロームの治療 

腹囲が大きくなる原因は過食と運動不足です。

仕事や夜勤であったり帰宅が遅くなったり、土日も仕事で忙しい人など環境によってなかなか運動ができない人もいるかもしれません。しかし、多くの人は5%の減量をすれば血糖・血圧・脂質の値が改善するという事実もあります。

まず簡単にできることは、

  • 朝ごはんを食べる
  • よく噛んで食べる
  • 今よりも10分だけ多く歩く
  • 体重を毎日測る
  • 食べたらすぐに歯磨きをする

そして客観的に評価するために動脈硬化の検査を受け、現在の自分の血管の状況や血管年齢をチェックし脳梗塞や心筋梗塞のリスクがどれだけあるのかチェックしてみましょう。

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